iDeCoの受け取り方と税金について調べていると「一時金と年金、どっちが得なの?」「税金で損したくない」と悩みますよね。私も企業型DCに加入していて、将来の受け取り方を考えるときに同じ疑問を持ちました。
この記事では、iDeCoの受け取り方の選択肢と、それぞれにかかる税金の基本を整理します。制度を調べた内容と、企業型DCで学んだ経験をもとに、できるだけ分かりやすく解説していきます。
■ 結論:iDeCoの受け取り方と税金の3つのポイント
- 受け取り方は「一時金」「年金」「併用」の3つから選べる。それぞれ適用される税制が違う
- 一時金は退職所得控除、年金は公的年金等控除が使える。控除額が大きいほど税負担は軽くなる
- 他の退職金や公的年金の受取時期と重なると控除枠を圧迫する。受け取り順序の工夫が重要
■ iDeCoの受け取り方は3パターンある
iDeCoは原則60歳以降に受け取りを開始できます(加入期間が10年未満の場合は受取開始年齢が後ろ倒しになります)。受け取り方は以下の3つから選択できます。
① 一時金(一括受取)
積み立てた資産を一度に全額受け取る方法です。退職所得として扱われ、退職所得控除が適用されます。
退職所得控除は勤続年数(iDeCoの場合は加入年数)に応じて控除額が増えるため、長く積み立てるほど税制面で有利です。
② 年金(分割受取)
5年以上20年以内の期間を設定し、分割して受け取る方法です。**雑所得(公的年金等)**として扱われ、公的年金等控除が適用されます。
毎年一定額を受け取るため、生活費の計画が立てやすい反面、受取期間中は運用を続けることになります(運用商品によっては元本割れリスクもあります)。
③ 併用(一時金+年金)
一部を一時金で受け取り、残りを年金形式で受け取る方法です。両方の控除を活用できるため、税負担を最適化しやすいケースもあります。
ただし、金融機関によっては併用を選べない場合もあるので、事前確認が必要です。
■ 一時金で受け取るときの税金の仕組み
一時金で受け取る場合、iDeCoの受取額は退職所得として課税されます。税額は以下の式で計算します。
退職所得 =(受取額 − 退職所得控除額)× 1/2
課税対象額 = 退職所得
退職所得控除額の計算方法
| 加入期間 | 控除額の計算式 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 加入年数(最低80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(加入年数 − 20年) |
例えば、iDeCoに25年加入して1,500万円を一時金で受け取る場合:
- 退職所得控除額 = 800万円 + 70万円 ×(25 − 20)= 1,150万円
- 退職所得 =(1,500万円 − 1,150万円)× 1/2 = 175万円
- この175万円に対して所得税・住民税が課税される
退職所得は1/2課税なので、他の所得に比べて税負担がかなり軽くなります。
会社の退職金と重複する場合の注意点
iDeCoの一時金を受け取る前後14年以内に会社から退職金を受け取ると、退職所得控除を按分または調整されるケースがあります。
- iDeCoを先に受け取る場合:後から受け取る退職金の控除額が減る可能性がある
- 退職金を先に受け取る場合:iDeCoの受取時に控除額が減る可能性がある
この調整ルールは複雑で、受取時期を5年以上ずらすことで回避できる場合もあります。会社の退職金制度を確認し、必要なら社労士や税理士に相談するのが確実です。
■ 年金で受け取るときの税金の仕組み
年金形式で受け取る場合、iDeCoの受取額は**雑所得(公的年金等)**として課税されます。公的年金等控除が適用されるため、一定額までは非課税です。
公的年金等控除額(65歳未満・令和2年分以降)
| 公的年金等の収入金額 | 控除額 |
|---|---|
| 60万円以下 | 全額控除(課税なし) |
| 60万円超130万円以下 | 収入金額 × 25% + 27.5万円 |
| 130万円超410万円以下 | 収入金額 × 15% + 68.5万円 |
| 410万円超770万円以下 | 収入金額 × 5% + 145.5万円 |
| 770万円超 | 195.5万円 |
※65歳以上の場合、控除額がさらに優遇されます(110万円まで全額控除など)。
例えば、65歳未満で年間100万円をiDeCoから年金受取する場合:
- 公的年金等控除額 = 100万円 × 25% + 27.5万円 = 52.5万円
- 課税対象額 = 100万円 − 52.5万円 = 47.5万円
この47.5万円が雑所得として他の所得と合算され、総合課税されます。
国民年金・厚生年金と合算される点に注意
iDeCoを年金形式で受け取ると、国民年金や厚生年金と合算されて公的年金等控除が適用されます。
つまり、公的年金を多く受け取っている人がiDeCoも年金で受け取ると、控除枠を使い切ってしまい、税負担が増える可能性があります。
■ 一時金と年金、どちらが税金面で有利か?
「iDeCoの受け取り方と税金」を考えるとき、一番気になるのが「結局どっちが得なの?」という点ですよね。
結論から言うと、人によって答えが違います。以下のような要素で変わるからです。
一時金が有利になりやすいケース
- 会社から退職金がない、または少額
- iDeCoの加入期間が長い(20年以上)
- 公的年金の受取額が多く、年金受取だと控除枠を圧迫する
- 受取後に自分で運用を続けたい(NISAなど)
年金が有利になりやすいケース
- 会社から高額な退職金を受け取る予定(退職所得控除を既に使い切る)
- 公的年金の受取額が少なく、控除枠に余裕がある
- 受取期間中も運用を続けたい(ただし元本割れリスクもある)
- 年金受取の手数料が安い金融機関を選んでいる
併用が有利になるケース
- 退職所得控除と公的年金等控除の両方に余裕がある
- 退職金とiDeCoの受取時期を工夫できる
- 一部を早期に現金化し、残りは分散して受け取りたい
■ 私が企業型DCで学んだこと
私はiDeCoには加入していませんが、企業型DC(確定拠出年金)に勤務先の制度で加入しています。現在の残高は169万円です。
企業型DCもiDeCoと同じく、受け取り方は「一時金」「年金」「併用」から選べます。将来の受け取り方を考えるとき、私が一番気にしたのは会社の退職金との兼ね合いでした。
退職金とDCの受取時期をどうずらすか
私の勤務先には退職金制度があります(金額は勤続年数次第ですが)。もし退職金と企業型DCを同じ年に一時金で受け取ると、退職所得控除を按分されて税負担が増える可能性があります。
調べてみると、受取時期を5年以上ずらせば、それぞれ独立して退職所得控除を使えるケースが多いようです(税制改正で変わる可能性もあるので、受取時に最新情報を確認する必要があります)。
私の場合、60歳で定年退職して退職金を受け取り、企業型DCは65歳まで据え置いて年金受取する、というシナリオも選択肢に入れています。
公的年金の受取額を把握しておく
年金形式で受け取る場合、公的年金等控除の枠をどれだけ使えるかが重要です。私は毎年届く「ねんきん定期便」で、将来の年金受取額の見込みを確認しています。
今のところ、国民年金と厚生年金を合わせて年間200万円弱の見込みです。公的年金等控除を考えると、企業型DCやiDeCoを年金受取にしても控除枠にはまだ余裕がありそうです。
ただ、これは現時点の試算なので、制度改正や自分の働き方次第で変わります。受取時期が近づいたら改めて試算し直すつもりです。
受け取り方は「後から決められる」安心感
iDeCoも企業型DCも、受け取り方の選択は受取時に決めることができます(金融機関によっては事前申請が必要な場合もあります)。
つまり、今から「一時金にする!」と決める必要はなく、60歳時点の税制や自分の状況を見て判断できるわけです。
これは私にとって安心材料でした。今は「選択肢を知っておく」段階で十分だと考えています。
ここまで書いてきたことは、あくまで私一人の判断です。正直「これで合ってるのかな」と迷った時期が長くありました。自分の状況に当てはめて誰かに整理してもらいたいなら、お金の専門家(FP)に無料で相談できる FPカフェ という選択肢もあります。何度相談しても無料で、事前に相談員のプロフィールを見て「強引な勧誘をしない人か」を確認してから選べるのは安心材料でした。まずは話を聞いてみるだけでも、自分の考えが整理されます。なお、相談内容の実行は自己判断・自己責任でお願いします。
■ iDeCoの受け取り方でよくある失敗・注意点
① 受取時期をノープランにしておく
iDeCoは60歳以降に受け取れますが、75歳までに受け取りを開始しなければならないというルールがあります(2022年の制度改正で70歳→75歳に延長されました)。
受取開始を先延ばしにしすぎると、選択肢が狭まったり、想定外の税負担が発生する可能性があります。
② 年金受取の手数料を確認していない
年金形式で受け取る場合、金融機関によって受取時に手数料がかかることがあります。
例えば、毎回440円の手数料がかかる金融機関で年4回受け取ると、年間1,760円が差し引かれます。20年受け取れば総額3万円以上です。
一時金受取は手数料が1回で済むため、コスト面でも有利なケースがあります。
③ 他の退職金制度を把握していない
会社によっては、企業型DCとは別に退職一時金制度や**確定給付企業年金(DB)**がある場合があります。
これらを同時期に受け取ると退職所得控除の調整が発生するため、受取順序や時期を事前に整理しておくことが大切です。
■ ❓ よくある質問
Q1. iDeCoの一時金と年金、どちらが税金面で得ですか?
人によって違います。会社の退職金の有無、公的年金の受取額、iDeCoの加入期間などで変わります。一般的には、退職金が少なく公的年金が多い人は一時金、逆なら年金が有利な傾向があります。
Q2. 受け取り方は途中で変更できますか?
受取開始前なら変更可能ですが、受取開始後の変更はできないのが一般的です。金融機関によってルールが異なるため、受取前に確認してください。
Q3. iDeCoを受け取らずに放置するとどうなりますか?
75歳までに受取開始の手続きをしないと、自動的に一時金として支払われる場合があります(金融機関により異なります)。また、運用商品によっては元本割れリスクもあるため、放置は避けるべきです。
■ 📌 まとめ
- iDeCoの受け取り方と税金は、「一時金(退職所得控除)」「年金(公的年金等控除)」「併用」の3パターンから選べる
- どれが有利かは会社の退職金や公的年金の額、iDeCo加入期間によって変わるため、受取時に最新の状況で判断する
- 企業型DCやiDeCoは受取時期を工夫することで税負担を減らせる。今から選択肢を知っておくことが大切
私は企業型DCに加入していて、将来の受け取り方をどうするか考える中で、iDeCoの受け取り方と税金についても調べました。正直、退職所得控除の按分ルールとか、公的年金等控除の計算とか、複雑すぎて最初は混乱しました。
でも、「受取時に決められる」と分かってからは、少し気が楽になりました。今は選択肢を知っておく段階で十分です。60歳が近づいたら、そのときの税制と自分の状況で改めて考えればいい。そう割り切っています。
この記事が、同じように「iDeCoの受け取り方と税金」で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
※ この記事の内容は制度を調べた結果をまとめたものです。税制は改正される可能性があるため、実際の受取時には最新情報を確認してください。また、個別の税務相談は税理士にご相談ください。投資は自己責任でお願いします。
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